傾斜地の敷地条件について、設計計画・工事監理の経験と完成後の状況をもとにポイントを考えてみます。
・構造的ポイント
・設備的ポイント
・工事的ポイント
・意匠的ポイント
と分けて考えてみます。
・構造的ポイント
地盤調査(土圧・水圧)が重要。
地盤調査は近隣のデータや計画によって調査方法が変わります。地盤は調査してみないと何とも言えないことばかりですが、考える時に平地と違う点は基礎にあります。
分類すると高床式、ひな壇式、半地下式でしょうか。
土に接する部分は一般的にRC造になります。上部を清水の舞台や投入堂のように木造で組むことも可能ですが建物と共にどの様に生活するかによりますね。
それから、土留めよう壁 についてです。
建築工事区分なのか土木工事区分なのかの判断が必要になります。分譲地のよう壁は、大規模開発による土木工事にて作られた場合が多く、古いものは構造解析ができな場合もあります。よう壁に影響がないような建物の配置にしたり、軽い建物にしたり、杭工事を施したりと配慮が必要です。
※分譲地よう壁の例
上記の分類は、建物でよう壁を兼用する案です。
・設備的ポイント
現地調査が重要。
現地調査は計画地と道路の関係による場合が大きいです。道路の下には上下水道、道路の上には電線が通常あり、道路より敷地が高いのか低いのかによって設備ルートが変わります。計画地内にタンクを設けポンプで組み上げることも可能ですが、初期費用も維持費用もかかることになります。また状況によってはインフラがない場合や道路以外にある場合があります。土地の購入前には必ず確認が必要ですね。
・工事的ポイント
上記のポイントに関わることですが、現地調査で工事をする際に足場やクレーン車などの工事機材の搬入や設置する場所を想定することが重要です。これは、新築工事だけではなく、将来を見据えてです。特に水周りや屋根はメンテナンス工事が生じやすいです。近隣や道路を使用しての工事することも可能ですが、時間や費用がかかります。
※メモ_土を掘り返すと容積は1.5倍以上に。
・意匠的ポイント
視界的開放性が得られやすい敷地条件ですので、どの様に窓を設けるかを思考します。ただし、景色が見れるということは、近隣の生活も見えますし、上部からこちらが見られることも忘れずに。やはり敷地調査ですね。
まとめ
上記ポイントも踏まえてですが、傾斜地の設計思考は、フラットな部分をどのようにつくるかになります。室内空間も重要ですが、実は外部空間で何をする為に何がほしいのか?の方が重要に思えてきます。
テラス_そこで何をするのがお好みですか?
アプローチ_駐輪場は何台がお好みですか?
BBQをするならどんな条件がお好みですか?
傾斜地の設計思考と思っていましたが、平地でも同様ですね。工事費の違いはありますが。